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Lesson 14: 劇団員を募集しよう(1) 〜どんな方法がええんやろ〜
ふー、またずいぶん間があいたな。
今回は管理人の学会出張で、ほかの先生と話したり観光したりする時間を確保するためらしいわ。なんや、わしらはカプセル怪獣か?だとしたらわしはウィンダム、ミクラス、アギラのどれ?
そんな今の若い人にいうてもわからんこというな。今日は劇団員募集についてやで。
ほう、自分からテーマを紹介するとは、ずいぶんえらくなったもんやの。
怖。ともかくやね、ぼくらの第1回公演は無事終了してん。お客さんも思ってたよりは入ったし、なによりずいぶん笑ろてもろたからうれしいわ。ぼくの「ラスクってイスラム系の寺院?そらモスクやろ!」の一人ぼけつっこみがずいぶん…。
(遮って)さっさとやるで。ネット上で劇団員を募集するんやな。
冷た。そう、今回の公演は一番少ない僕で10役あったからな。いかさま麻雀ちゃうねんから。さすがに人数少ないぞってことで、僕にHPで募集の告知を打つよういってきてん。
よしゃ、ほんならさっそくやろか。劇団員の募集には大きく4つの方法があるといえるな。
  • 募集
  • オーディション
  • スカウト
  • 客演
募集とオーディションはほとんど同じやけど、ここではわけてる。つまりオーディションは応募してきた人をテストする、というのが違うねん。募集は条件面であえば採用。応募してきた人を見たり、劇団員経由で紹介された人に会ったりする。オーディションは主に役者面で、実技テストをして合格すれば採用ということやな。
なるほどなるほど。
スカウトはフリーの役者やスタッフ、劇団に入ってないけど演劇やってる(演劇部の人とか、友達とか)を、劇団員として誘う。客演は厳密には劇団員募集じゃないんやけど、ある公演の役者として臨時に出演を依頼する。パートタイマーやな。でも一度公演をして気に入ると、毎回客演として出てもらうこともあるやろな。
そうか、正規の劇団員ではないねんな。それならいつもそれでもええともいえるかもな。
そやな。劇団の中には正規の劇団員を持たず、公演のたびに役者を集める「プロデュース」形式をとるところも多いな。でも劇団員として募集する人はやっぱり多い。正規劇団員と客演の違いをまず見ておく必要があるな。
劇団員募集をかけるところが多いということは、劇団員として採用する方がお得やっちゅうことかな?
まず劇団員として採用すると、やっぱり劇団内での仲間意識が高まるな。客演は「客」っちゅうことやから、やっぱりあまり強いこともいえへんやろうし。団結心が高まると芝居自体の質も高まる。こういうたらなんやけど、夢の遊眠社の「半神」とNODA MAPの「半神」を比べてみるとわかるかも。
そのたとえはようわかる。うんうん。
逆に役者の個性を生かせるのがプロデュース形式のええとこやな。次に劇団員として採用するということは、会社でいうたら「正社員」やから、いろいろ拘束することができる。練習時間とかな。一番大きいのは「団費」を徴収することができるということかもしれへん。客演の人にノルマを課すのは、えらいひとならなおさら難しいからな。
公演にはたくさんお金がかかるもんな。団費やノルマで当面乗り切れるっちゅうことはありがたいな。ほんならそういうのが嫌な人は正規の劇団員として活動はしないという道も選べるな。
そうやな。そういう人がフリーとして活躍したり、「客演専門」として活動しているのかも。それとこれが一番大きいと思うねんけど、劇団員はある程度、舞台への出演の機会が約束されるということやな。少なくとも自分の劇団の公演で、団員がいっぱいいるのに客演でキャストをまかなうような鬼の演出もおらんやろ。むしろ逆に気に入った役者を想定して脚本を書く「当て書き」もおこなわれるほどやな。特にその劇団の作品が大好き、という人にとってはありがたいな。
そうかー。結局劇団員にとっても代表(演出とか)にとっても、持ちつ持たれつでいいシステムなんやな、劇団員というのは。拘束に対して納得できればええわけやから、劇団員を募集したり、応募したりする人が多いのもうなずけるわ。
わかったところで次は、募集形態のメリット・デメリットにいこか。なんや、今日はなんかアカデミックな雰囲気やな。いいぞいいぞ。
そらあかん、見てる人が退屈してまう。「モロッコか…乗り心地は悪そうだな…ってそれはトロッコやろ!」
…きみは今回の公演でそういう役回りやったんか…不憫な…。
不憫いうな。もの悲しい。
次はええ役もくるって。えー、4つの形態があったけど、まずたんなる「募集」やな。これは敷居の低さがポイント。ともかく人数をそろえたい、というときは、劇団の趣旨にあえば誰でも歓迎です!っちゅう感じで集めれば、人数もそろうよ。でもスキルの高い即戦力を求めるには不適やな。それによくつきあってみると変な人とか、おもしろくない人とわかっても遅い。
さっきみたいに、団費を集めたいとか、とにかく手っ取り早く人数をそろえたいときはええな。
そ。次に「オーディション」。いちおう演技面で適性を見るんやけど、気をつけてほしいのは、オーディションは心理的なハードルを越えてもらわないといけないっちゅうことやねん。引っ込み思案な人には向かないし、そこまでして入る気を起こさせる必要がある。だから旗揚げもしてないとか、あまり人に受け入れられない芝居をしてるひと、それから…いいにくいけどまだ上手じゃないところはやらない方がええな。
たしかに。えらそうな顔して審査してる割には芝居はだめだめ、っていうのはちょっと痛いな。
でも利点もある。それはもちろん、即戦力を集めることができる、ということやね。合格しないと劇団員になれないわけやから。それに選ばれた人にはオーディションを勝ち残ったという自信が生まれるから、劇団のことを好きになってもらえる。だから特に役者のこまが力不足、という劇団にはおすすめ。まだ発展途上のときには作品のスタイルをしっかり打ち出して、「こんな芝居をやりたい人」っていう感じで募集するといいかも。作品の質は採用した人にあげてもらうねん。
そうか。逆に言うと劇団のスタンスが明確じゃないところはやりにくいな。うちなんかは笑い一本やから、やりやすいかも。
次の「スカウト」は、一番の利点は劇団で気に入った人を引っ張ってこれるということ。特にねらい目は大学・高校の演劇部やな。逸材を劇団員としてとってこれれば、長期にわたって劇団の力になってくれる。フリーの役者をひっぱってくるというのは一番即効性があるけど、いうたらそういう人は劇団に所属するのが嫌でフリー、というスタンスをとってることが多いから、難しいかもな。
きっと実力はあると思うけど、しんどいかな。孔明のように熱意でひっぱってこれへんかな。
三顧の礼な。よっぽど気に入ったらやったらええ。フリーの人に限らず、スカウトに必要なのはその熱意かもな。なんでもいっしょやな。そして最後の「客演」やけど、これはプロデュースの利点によるな。自分の好きな役者に声をかけて、思い通りの布陣をつくれる。そして客演やから、ほかの劇団の劇団員も使えるという意味で自由度が高いな。でも短所はやはり「劇団員じゃない」ということ。ノルマを課すのも難しくなるかもしれへんし、時間的な拘束もかけにくい。公演にかかるお金は自分で何とかせなあかんし、それまでばらばらだった人をまとめるのも時間と努力が必要やな。しっかりした財政基盤とよい作品があれば成功するけど。「臨時劇団員」という形で拘束や団費にも応じるという契約をしっかり確認しないと、ばばを引く確率大と考えるよ。
そうか…4つ見てきたけどどれも長所と短所があるな。どれにしたらええねんやろ?
それは簡単。自分の劇団がいったい何を優先して必要とし、何があとまわしでもいいかをはっきりさせればええねん。
劇団員っちゅうことでは同じやけど、「何のために」募集するのか、っていうこと?
そや。募集の場合は「頭数」やな。オーディションは「即戦力」。スカウトは「劇団にあうタイプの人」で、客演は「幅広い選択候補」や。どれを優先するかによって選ぶ必要があるな。それと募集・オーディション・スカウトが正規の劇団員を募集するのに対し、客演は臨時の劇団員。これの違いも明確にしないと。正規の劇団員は「拘束可能」であり、「家族的なつながり」も手に入れることができる。劇団は結局ファミリーやからな。それに対して客演はそれはないけど、自分の理想とする布陣を作ることはできる。どちらを優先させるかやな。
なるほどー。いっぱい条件が出てきたな。わからへん。
そういうやろうと思って、表にまとめてみました。管理人も自分の研究でこれくらいできればええのにな。

表:募集形態の長所と短所
形態 募集 オーディション スカウト 客演
メリット 手っ取り早く頭数をそろえることができる
劇団員としてのメリット*が享受できる
即戦力を確保することができる
選ばれたという自信を持たせることができる
劇団員としてのメリットが享受できる
劇団にあうタイプの人(ある程度即戦力)を選んで勧誘できる
劇団員としてのメリットを享受できる
自分の好きな役者に声をかけて、理想的な布陣を作りやすい
他の劇団員も誘える、一時的ということで誘いやすい
デメリット スキルの高い人がとれない、いらない人材までとるリスクがある 敷居を高くすることで、候補者が限られてしまう、審査する技量が必要 勧誘範囲が限られる、巡り合わせに任されてしまうので集めにくい 拘束しにくい、団費がもらいにくい、経済的に苦しい、家族的な雰囲気が味わえない
* 劇団員としてのメリット:団費がもらえる、拘束が可能、家族的雰囲気が味わえる、など
よしゃ。これで考えるとうちはオーディションがよさそやな。それでいこ。
いい劇団、のびる劇団にはかならずいい人材がおる。これは間違いのないことやな。いい人と巡り会えるかどうかは縁やけど、そういう人をひきつけるような募集をしたいな。
そこやな。HPには劇団のカラーを示すものとして、ぼくの一人ぼけつっこみ100連発とかを載せよう。これでハイレベルの人が応募してくるよ。
…くれぐれもこんな応募はしないように。もう1回続くかも?それじゃまた次回に、チャオ!
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Performed by Grazie and Chao
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